PTA広報紙1分半うんちく-第二話-日本語はどこからきたの?【Ⅱ】
先週、書いた万葉仮名の文学作品、万葉集、古事記、日本書紀などは西暦700年代前半から中期までのもの。奈良に都(平城京=710年)が置かれた後に完成をみます。その万葉仮名というのは、実は漢字そのものなんですね。音を表す記号として用いられたのです。いわゆる「表音文字」というやつです。
ただ、日本人がすごいのは、輸入した漢字を表音記号として使うだけでは飽き足らず、さまざまな創意工夫をこらして日本語を作っていった点です。平安の女性たちが、漢字をもとにしながらも、これを徹底的に簡略化したひらがなを創作。男言葉としてのカタカナまでが創作されました。こうした漢字の創造的加工がなければ、源氏物語も枕草子も、土佐日記だって生まれなかった、といえるでしょう。
すごいのは、これだけではありません。
中国製の漢字とは一味違った漢字をも創造しました。いわゆる「国字(こくじ)」と呼ばれるもので「凪」「働」「畑」「峠」「裃」といった漢字がそれです。医学用語の「腺」「胃」「肛」もそうです。さらに「俗字」といって、「燈」から「灯」を作ったり、「略字」といわれるもので、「歳」から「才」を、「蟲」から「虫」を作る離れ業までやってのけました。
日本語ロードの終点で、漢字は大きな変化、進化を遂げ、私たちの言葉になったのです。