プロフィール

プロフィール

長谷川 信正

1943年生まれ、福島県会津若松市出身。
早稲田大学第一文学部国語国文学科を卒業、毎日新聞社に入社。
事件、行政、教育分野などを担当。デスク時代には文章教室の講師などを務めた。また、朝のワイドニュース番組にコメンテーターとしてレギュラー出演、やさしい語り口で人気を集めた。
退職後は、著述業を中心とする「NH企画」を設立。記者時代の体験と文章力を生かした講演・執筆活動のほか、最近は「経営者のための文章講座」を開講、若手経営者らに好評を得ている。

はじめて来られた方へ

カテゴリー

PTA広報紙1分半うんちく-第五話-「未曾有」が読めなかった総理大臣

 ある大学の先生の話です。
 
 「案の定」と黒板に書き、読みを生徒に聞いたところ、答えは「あんのてい」だったそうです。逆に「あんのじょう」を漢字で書かせたところ、答えは「案の上」。先生は「最近の大学生の国語力は中学生以下に落ちているのではないか」と嘆いておられました。
 
 しかし、これなどはまだしも。自民党が歴史的な惨敗を喫し、政権を明け渡した09年の日本の政界では、これ以上の深刻な話で揺れました。
 
 その元凶の一人は、秋葉おたくに絶大な人気を誇ったはずの総理大臣です。あるときの演説で、原稿にあった「未曾有(みぞう)」を「みぞうゆう」と読んで失笑を買いました。また、同年8月の長崎平和祈念式典あいさつでは「癒すことのできない傷跡(きずあと)」を「しょうせき」と読んでいます。
 
 もう一人は、民主党政権の要に座った平野官房長官でした。定例の記者会見で「誘拐(ゆうかい)」を「ゆうわく」と読み、新内閣で初の笑いものになりました。

 
 当たり前の漢字が読めない、中学校で習うはずの漢字が書けない、という事実はその人の評価に相当の影響を与えます。0705_02みぞうゆう総理は、これでトップの座を降りることになったのですから。国語力は表現力の基礎。さて、あなたの基礎は?
 

category:未分類 | at 11:03 am | コメント (0)

いざ取材―まとめ

 取材のイロハから写真の撮り方、「5W1H」の説明まで。「いざ取材」は、16回にわたる「取材のあり方」集でした。
 
 どうしたらいい記事が書けるのか。
 
 それは、取材の質によって決まります。完璧な取材がいい記事を生むのです。いい記事は、必ずしも名文を指すわけではありません。読み手が知りたいと思うこと(情報)をすべて盛り込み、わかりやすく書かれたもの―それが、広報委員の皆さんが目指すべき「いい記事」です。
 
 いい記事のため、自分が取材することはもちろん、人に原稿を書いてもらうことだって、立派な取材です。しかし、取材と原稿依頼という大きな違いは、取材の方法にも大きな違いをもたらすものです。また自分がする取材でも、座談会をまとめるのと、インタビュー取材では大きく違う。
 
 どんな取材でも共通するのはただ一つ。事前の準備を完全にしておくこと、です。
 
 取材する人を知り、現象を知る。これも事前準備なら、取材する人や現象を知るためにする作業も大切な事前準備です。そんな事前準備に多くの時間をさいてください。完璧な準備は、慣れない取材への不安を消し、いい記事を書く自信を生んでくれます。
 

0705_01

category:未分類 | at 14:37 pm | コメント (0)

いざ取材―取材段階から5W1Hは大事【2】

 駆け出し記者だったころ、同期入社で仲のよかった記者がひそかに続けていた「取材の準備」を、今、思い出しています。
 
 彼は事件現場に向かうときの移動の車の中で、大学ノートを広げ、1ページを6分割し、等間隔に五つの「W」と、一つの「H」を書き込みます。現場に着くと、周辺で見たことや聞いたことを、それぞれの項目に分けてメモしていくのです。自分が得た情報を、取材段階から「これはWhyの要素」「こちらはHowの要素」と、分類・整理しストックしていくわけです。記事にする段階となると、これがすこぶる威力を発揮します。
 
 そのころ私は、取材したものをノートの上から下へ、順番に書き連ねていました。これだと、自分がどこになにを書いたのかがわからなくなるのもしばしば。彼の「隠し技」を知ったとき、正直「やられた」と思いました。そして数日後の事件現場で、彼をそっくり真似る自分を見つけたのを覚えています。
 

0621 彼は、企画性の高い記事の取材でも同じような準備をして、取材先に出掛けていました。簡単なようでいて、なかなかできない「5W1Hの事前準備」。それを、取材段階から大事にする好例だと、私は今でも思っています。いろんな場面で、あなたもぜひ真似てみてください。これまでにない成果がもぎ取れるはずです。
 

category:未分類 | at 16:04 pm | コメント (0)

いざ取材―取材段階から5W1Hは大事【1】

 「5W1H」って、どこかで聞いたことがあるのでは?
 
 「ニュース」と呼ばれる新聞記事などで、「記事に絶対盛り込まなければならない六つの要素」を、英語の頭文字をとって並べたものです。六つの要素は、どんなパターンの記事でも、日刊新聞やPTA新聞といった、媒体の種類を問わず必要とされるものです。記事を書くときに欠かせないものなのですが、取材の段階からだってこれは大事です。
 
 「五つのW」とは、①When「いつ」②Where「どこで」③Who「だれが」④What「なにを」⑤Why「なんのために、なぜ」を指します。「一つのH」はHow「どのようにして、いかにして」です。
 
 これら「五つのW」と「一つのH」を頭に思い浮かべながら、自分がみたこと、取材相手から聞き出したことを反すうし、取材が足りているか、「取材漏れ」がないか、を常にチェックしながら進みます。記事では、六つの要素のどれひとつが欠けても、完全とはいえません。まして、取材段階でどれかが欠けていたら、書き出したときから欠陥原稿と決まっているようなものです。
 
 実際に取材に出掛け、六つの要素をすばやく取材するのはなかなか難しい。すばやくできる妙案、近道があるわけでもありません。取材を多く経験し、慣れていくことです。

0616

 

 

category:未分類 | at 15:26 pm | コメント (0)

PTA広報紙1分半うんちく-第四話-常用漢字って?

 前回の第三話で触れた文化審議会国語分科会が、今、大変な注目を集めています。
 
 同審議会総会が6月7日に開かれ、1981年制定の常用漢字表を29年ぶりに改定する「改定常用漢字表」(2136字)を川端文部科学相に答申したからです。年内には内閣告示され、新しい漢字使用の目安が決まるわけで、PTA新聞で使う漢字の基準にも大きな影響を与えずにはおきません。この際、新しい改定常用漢字表をぜひ覚えてください。
 
 そもそも常用漢字って、何でしょう。
 
 文化審議会国語分科会がまだ国語審議会と呼ばれていた1946年に答申、内閣告示された「当用漢字」(1850字)に95字を加えて制定されたのが現行の「常用漢字表」(1945字)。今回は、これにさらに196字を追加する一方、5字を削除した改定表を答申したのです。あわせて同審議会は、常用漢字を「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般社会で用いる場合の効率的で共通性の高い漢字を収め、わかりやすく通じやすい文章を書き表すための、新たな漢字使用の目安」と位置づけました。PTA新聞もこの範ちゅうに入ります。

 
0609 「わかりやすく通じやすい」といいながら、追加された漢字には憂鬱の「鬱」や妖艶の「艶」など、簡単に書けない漢字もかなり加えられました。パソコンなど情報機器の普及で「書けないが読むことができ、変換できる漢字」が増えたことを反映したものです。
 

category:未分類 | at 13:57 pm | コメント (0)